こんにちは、たけろーです。
数あるブログの中で訪問していただき、ありがとうございます。
今回は、2022年秋に開業予定のジブリパーク(愛知県長久手市)を盛り上げようと、地元の中日新聞(名古屋市)が2020年9月27日に始めた「月刊ジブリパーク」を紹介します。
既に公表されている通り、ジブリパークは、公設民営方式です。
愛知県がジブリパークを整備し、スタジオジブリと地元の中日新聞社が共同出資する新会社が管理運営をします。
2019年11月1日、スタジオジブリと地元の中日新聞社が、管理運営をする「株式会社ジブリパーク」を設立しました。

中日新聞は、ジブリパークの運営に参加しているので、最新情報をもっています。
その中日新聞が毎月1回、特集紙面でさまざまな企画記事を提供していくというわけですね。
1面8段を使っているので、読み応えがありますよ。
月刊ジブリパーク 2020年9月27日号
初回は、改めて、ジブリパークの5つのエリアを紹介しています。
また、これまでの経緯を要約した年表も掲載しています。
そのあたりについては、こちらの記事の方が詳しいと思いますので、
よろしければご参照ください。



今回のメイン記事は、ジブリパークのクリエーティブディレクターを務めるスタジオジブリの宮崎吾朗監督のインタビューです。
何回に分けて掲載されます。
1回目のテーマは脱テーマパークです。
脱テーマパーク
宮崎監督のインタビューの要旨は次の通りです。
ジブリパークのテーマパークをやらないかという話は、これまでも持ち込まれました。でも、ジブリの作品は、現実世界に立脚しているので、テーマパークには向かないと思っていました。
テーマパークは、ファンタジーが現実世界にはみ出してきているものなので、ジブリ作品とは違うという感覚がありました。
そう考えていたところ、愛知県から愛・地球博記念公園(モリコロパーク)への招致の話をいただきました。
既に「サツキとメイの家」もあり、年間10万人以上が訪れます。バーチャルな世界ではなく、映画の記憶と自身の体験が結びつくところがジブリっぽくて、いいのだと思います。
ジブリパークは、バーチャルではなく、全身で感じられる本物の空間を目指します。
「ジブリの大倉庫」エリアを除いて、ジブリ作品に登場する建物や庭を本物として作る計画です。
そして、しっかり手入れをしていただき、公園に集う全ての人の宝物になることを願います。
そのためにも、理屈を公園にはめ込むのではなく、今ある公園を感じ、観察することを積み重ねていこうと思っています。
月刊ジブリパーク 2020年10月25日号
スタジオジブリの宮崎吾朗監督へのインタビューの2回目が掲載されました。5つのエリアの1つ、ジブリの大倉庫エリアについて語っています。
要旨は、次の通りです。
ジブリの大倉庫エリア

ジブリの大倉庫エリアは、温水プールだった建物内部に造られます。
来場者は、2階から入って、1階を回遊するように楽しみ、また、2階から出ていきます。
三鷹の森ジブリ美術館は、1階から地階に下がって、2階に進みます。
大倉庫では、2、3時間、ぐるぐる探検するように歩いてほしい。
ちょっとフェイクな感じで、大きな倉庫に、素敵なもの、怪しげな物などがごちゃごちゃ混ざっている方が面白いのではないでしょうか。
ジブリ美術館が、宮崎駿監督個人の作品のように作家性が強く出ている施設だとすれば、大倉庫は、間口を広くして、アイデア、熱意によって、新しいことができるようにしたいと考えています。
個人的な思いとしては、企画展示を変えるときは、ジブリ作品にこだわらず、内容をアニメーション全体に対象を広げて、庵野秀明さん、新海誠さんなどの作品を扱えるようにしてもいい。
展示以外の建物、子どもの遊び場も、一度造ったら終わりでなく、「面白そうだ」「やってみよう」と、手を入れていくことが大事だと思います。
「サツキとメイの家」旧管理棟解体
このほか、今回の「月刊ジブリパーク」では、どんどこ森エリアの「サツキとメイの家」で、2020年9月上旬にあった旧管理棟の解体工事の様子が紹介されました。
日本家屋の伝統工法で造られた建物は、解体後、部材の多くを再利用して、もののけの里エリアで、休憩所のような施設に再生されます。
新しい施設は、板葺屋根を石で押さえたような趣のある建物になるそうです。

月刊ジブリパーク 2020年11月29日号
スタジオジブリの宮崎吾朗監督へのインタビューの3回目です。
今回のテーマは、2020年12月30日午後7時半から、NHK総合で放映される宮崎吾朗監督の最新作「アーヤと魔女」です。放送時間は1時間22分。
「アーヤと魔女」は、映画「ハウルの動く城」の原作を書いた英国の作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(1934~2011年)による児童向け小説が原作です。
2020年6月のカンヌ国際映画祭の「オフィシャルセレクション2020」にも選ばれました。
スタジオジブリで初めてのフル3DのCGアニメーションです。3Dの制作は、現実の空間に造形物を構築するジブリパークの整備にも通じるといいます。
要旨は、次の通りです。
「アーヤと魔女」からジブリパークへ
3DCGの制作作業は、コンピューターグラフィックスの画像空間にセットを作り、そこでキャラクターに芝居をしてもらって撮影します。その意味では、実写映画と変わらないんです。
CGで画面を作るときは、自分がその空間の中に入ったつもりになって、カメラワークを想像します。これは、現実の空間でジブリパークを作る感覚に通じます。
僕がアウトラインを作った後は、分業です。モデラー、アニメーター、ライティング、エフェクトなど、さまざまプロがいます。
同じように、ジブリパークの建設でも、意匠、構造、設備、電気など、各分野の専門職の人がいるので、そうした皆さんに力を発揮してもらわないといけません。
2005年の愛・地球博(愛知万博)で、「サツキとメイの家」を建てたときもそうでした。当時の経験は貴重ですね。

個性的で濃いキャラクターの大工さん、瓦屋さん、材木屋さん、左官屋さんなどから、常に、何を目指すのか、なぜ、そう考えるのかなど、問いを突きつけられます。
曖昧さは許されません。相手が納得するように具体的に説明する必要があります。
ジブリパークの工事では、「サツキとメイの家」を一緒にやった職人さんたちも協力してくれます。
僕を鍛えてくれた人たちが、また一緒に仕事をしたいと言ってくれる。僕にとっての財産です。

「アーヤと魔女」の詳細情報
「月間ジブリパーク」や、スタジオジブリ、NHKの公式サイトによると、「アーヤと魔女」の詳細情報は次の通りです。
俳優の寺島しのぶさん(ベラ・ヤーガ役)、豊川悦司さん(マンドレーク役)、濱田岳さん(トーマス役)と、オーディションで選ばれた主人公アーヤ役の平澤宏々路さんが、声優として参加します。
1990年代の英国。物語は、自分が魔女の娘とは知らずに育った10歳の少女アーヤが、ある日、奇妙な家に引き取られ、意地悪な魔女と暮らすことになったところから始まります。
赤ん坊の頃から孤児として育ったアーヤにとって、誰もが自分の思いどおりにしてくれる孤児院での生活は快適でした。
ところがある日、突然、派手な女と長身の男の2人組に引き取られます。その女こそ、魔女のベラ・ヤーガ、男はマンドレークでした。
ベラ・ヤーガはアーヤをこき使うばかり。いくら頼んでも、魔法の1つも教えてくれません。
それでも、アーヤは「よおし、負けるもんか」と反撃を始めます。彼女の特技は周囲の人を操って、自分の思いどおりにさせてしまうことでした・・・。
「月間ジブリパーク」によると、宮崎吾朗監督は、主人公、アーヤの勝ち気で生意気な性格に、厳しい時代を生き抜く現代の子どもたちのあるべき姿を重ねます。
従順なだけでは生きていけない。知恵を使って、臨機応変に生きていく。
劇中歌を歌うのはインドネシアの国民的スター、 シェリナ・ムナフさん。宮崎吾朗監督こだわりの歌を、劇伴音楽を担当する武部聡志さんらのスペシャルユニットが演奏しています。
宮崎吾朗監督の代表作「山賊の娘ローニャ」も再放送
NHKは、宮崎吾朗監督の最新作「アーヤと魔女」の放送に合わせ、宮崎監督が初めて手掛けたテレビシリーズで、2016年に第4回国際エミー賞・子どもアニメーション部門(部門最優秀賞)を受賞した「山賊の娘ローニャ」全26話を、前後編に再編集して放送します。
「アーヤと魔女」の詳しい情報は、スタジオジブリの公式サイト、または、NHKの公式サイトを見てください!
月刊ジブリパーク 2020年12月27日号
スタジオジブリの宮崎吾朗監督へのインタビューの4回目です。

テーマは、ジブリパークでつくられる「どんどこ森エリア」。2005年の愛・地球博(愛知万博)で建てられた「サツキとメイの家」を核にしたエリアです。

要旨は次の通りです。

どんどこ森エリアへの思い
愛知県の担当者から、エリアに名前を付けるように求められ、サツキとメイがトトロと一緒に踊る「どんどこ踊り」を思いつきました。
環境を守りながら、サツキとメイの家の裏山などを含め、もう少し広がりを持ったエリアにしたいと考えています。

既に、ジブリの大倉庫エリアと、サツキとメイの家があるエリアとの間には、ウッドデッキなどの園路があり、樹林内を周遊できるようになっています。
それを含め、訪れた人がより自然に触れられる仕掛けをつくりたい。
田園の景観がイメージですが、サツキとメイの家の付近は基本的に触りません。
風景をそのまま生かす、残すということも大事だと思います。
